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2020.2.3掲載  コラム「而今」
上位41力士を追い抜く史上最大の〝下剋上〟を成就した徳勝龍関優勝に接し、相撲開祖・野見宿禰(のみのすくね)顕彰会会長の門脇秀樹さんは「パワーを頂き、発祥の地をさらに国内外に広めたい」と鼻高々▼日本書紀によれば、第11代垂仁天皇の時に日本最初の展覧相撲があったとされる、桜井市穴師の相撲神社のカタヤケシ▼大一番は出雲に住む野見宿禰と当麻に住む當麻蹴速(たいまのけはや)の取組。今の感覚では「格闘技」に近かったらしいが、野見宿禰が勝利したと記されている▼実は、野見宿禰については古事記や古代島根の出雲を記した風土記にも登場しない、ミステリアスな人物でもある▼子孫は学問の神様である菅原道真とされ、野見宿禰に関する神社は日本各地に点在する。東京都墨田区の野見宿禰神社に至っては、日本相撲協会が管理している▼門脇さんが住む桜井市出雲には、野見宿禰の塚が残っており、出雲人形づくりや「力餅の餅つき大会」など様々な事業を展開中。「イベントに触れてもらい、相撲の開祖を愛でて頂ければ」とアピールに余念がない。 (寺)
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