奈良県内の政治経済情報を深掘

2020.2.24掲載  コラム「而今」
 奈良公園一帯をイルミネーションで飾る「なら瑠璃絵」の来場者は約31万5000人で、去年に比べて約10万人少なくなった▼コロナウイルスによる肺炎が、観光経済に大きな影響を与え、奈良県内の観光地で外国人の姿を見ることが極端に減った。「昔の奈良に戻ったようだ」と称する人もいる▼奈良以外も同様、宿泊のキャンセルが相次ぐ中、宿泊施設の予約サイトを検索すると、京都や大阪では思い切った値下げをする施設があり、1泊1000円以下や500円以下も飛び出し、価格崩壊が激しくなっている▼観光庁が昨年10月から12月までの旅行・観光消費動向調査を公表した。日本人の国内旅行の消費額は前年比7%増の21兆9114億円で、このうち宿泊は同比8・5%増の17兆1493億円。宿泊客の1人単価は5万5069円にも上っている▼国のインバウンド施策の享受で、中国をはじめ、奈良に訪れる外国人観光客が増加したが、ウイルスの影響で元に戻ったような格好。日本人観光客を誘致する施策の重要さがあらためて思い知らされる。 (包)
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