2020.5.11掲載 コラム「而今」
県外ナンバーの車を見つけては「来ないでください」と張り紙を付けたり、ひいてはその車両を損傷させるなど、行き過ぎた行為が全国で横行している。自粛ストレスの行き先が、こんな格好で生じるのは何とも残念▼相変わらずマスクや防護服の不足が続いており、著名人らや企業が物品や金品の寄付を行っているが、これに対しても「売名」や「偽善」などの〝文句〟が出る始末…▼芸人の松本人志さんは自身のＳＮＳで「善意にケチを付ける人達がいます。それは寄付や義援金をしたい人達の心を削ります。そして回り回って自分や自分の大切な人達をも救えなくなるのです。あーほー」と嘆いた▼日本はまだまだチャリティーに関する文化が浸透していない。何もせず座っているだけで評論家よろしくあれこれ論評を行う人。この人たちに善行の人たちをとやかく言う資格はない▼長引く自粛と見えない出口で皆がストレスを感じている今、行き過ぎた行為や批判ありきの評論など余計に気が滅入る。批判の前に、自分に何ができるか、冷静に見つめたい。 （包）