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2020.5.25掲載  コラム「而今」
 日本高校野球連盟が20日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け「春のセンバツ」に引き続き「夏の甲子園」の中止を決定した。全国49校の代表校を決める地方大会も中止になり、戦後初のことだ▼出場の夢を追いかけてきた球児たちの無念や悔しさは筆舌に尽くし難い。全力を尽くして敗れ、断たれる夢とは違う。いつまでも終わることのない無念さが残るだろう。願わくば何か代替の大会の開催を期待したい▼新型コロナの影響を受けて社会の様相が大きく変わった。リモートワークしかり、さまざまな業種の事業内容しかり。教育現場では「9月新年度」の構想が出始めている▼この構想の是非については、まだまだ深い議論が必要となるが「夏の甲子園」をはじめ、酷暑が続き熱中症のリスクが高まる近年は、スポーツの開催時期を検討する機会にもすべきではないか▼高校の3年間という人生で最も輝く時間、甲子園に向けて努力してきた球児の無念に、大人や政治がどんな形で報い、新しい社会を作ることができるか―。今、それが問われている。      (染)
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