奈良県内の政治経済情報を深掘

2020.6.8掲載  コラム「而今」
 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ政府の緊急事態宣言が解除された。それに伴って県内では車の交通量や出歩く人の数が確実に増えてきている▼店頭には価格が落ち着いたマスクも並び始め、収束への希望が見えてきたように思えるが、マスクを付けていない人の姿もちらほら見かける▼話を聞いてみると「感染するリスクも減ったので」と…。第2波の警戒を呼び掛けている状況で、のど元過ぎるには少し早すぎる気もするが…。マスクは自分への感染を防ぐことよりも、人に感染させないといった〝気遣い〟の部分が大きい▼このほど、鹿への「気遣い」から生まれたのが今号で報じた「鹿紙」。鹿が誤食しても害が少ないようにと鹿の目線に立って開発が進められた。今後、商品を持ち帰るための袋をはじめ、この紙がさまざまな場面で使われるスタンダードになることを期待したい▼奈良は人と自然、そして神仏が共生しているまち。古くから脈々と続く「他者への気遣い」を今こそ大切に、誰も欠けることなくこの難局を乗り越えたいと、切に願う。 (梅)
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