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2020.8.24掲載  コラム「而今」
 小学生の頃を思い出す。8月24日ともなれば、夏休みの宿題の取りこぼしに、〝猫の手〟の代わりに親の手に頼り、苦手な工作を突貫で完成させた▼夕方になると、ヒグラシの寂しそうな鳴き声。遊び回った時間の多さが夏休みの長さを忘れさせ、なぜか子ども心に後悔の念を抱かせる▼子どもたちにとっての夏休みは、常に特別な意味を持っていた。今年に限って言えば、新型コロナという厄介な魔物のせいで、大切な時間が何もかも制限されてきている▼夏休みは短く、非常事態宣言による「三密」を避けての各家庭での自主学習。学校での通常のカリキュラムを取り戻すためにはしかたないかもしれないが、子どもたちに体の変調をもたらしてはならない▼四季折々の草木の花を授粉するミツバチ。木の実や種子をつくり、動物たちを養い、豊かな森をつくってきた。そして、人間と共生する中で日々の営みを築いてきた▼子どもたちが森に行くのも遠のいている今。そんなほんのりとした蜂蜜の話でもしながら、教師、家族、地域の人たちで温かく子どもたちを見守っていってほしい。  (寺)
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