奈良県内の政治経済情報を深掘

2021.3.15掲載  コラム「而今」
 プロ野球選手、監督として活躍した故・野村克也氏は、自身の著書で「結果の責任は、すべてリーダーが取る」と言葉を残している。また敗北した日のゲームのコメントでは「今日の負け投手は野村です」とも。なんとも潔くユーモアのある対応か▼奈良市が数千万円もの投資を一民間に行い、至れり尽くせりの条件で誘致した猿沢池近くの市有地に入居する「coto coto(コトコト)」が、今月末で閉店する▼取材によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う売上の減少が撤退の理由らしい。自前の蓄えの持ち出しや、金融機関からの融資などで必死にやりくりしている飲食店が多数ある中、腑に落ちない理由だ▼ただの民間の撤退ならばことさら追及する必要はない。が、多額の血税を投じた市の事業に黙るわけにはいかない。市議会でも追及されたが、市は、今後の利活用を直営ではなく、外郭団体に〝丸投げ〟するという▼市は「敗戦処理投手」の仕事を外郭団体にさせるという責任転嫁。さて、リーダーの仕事とは何だったのか…。ぼやきたくもなる。   (染)
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