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2021.9.6掲載  コラム「而今」
 「目は口ほどに物を言う」という故事がある。情がこもった目つきは、言葉で説明するのと同等に、相手の気持ちが伝わるものだという意味▼コロナ禍での人の目は、口にすっぽりマスクが被さっているため、みんな同じように見えたりする。表情がつかめないためでもあるが、うれしいのか、そうでないのか、何か言いたげなのか、すぐには読めない▼ソーシャルディスタンスから、マスク越しの声は聴きにくく、会話にも張り合いをなくすことも隠し切れない。聞き直したりして、やっと真意をくみ取ることもある。悲しいかな、目が物を言ってくれない▼めっきり、外へ出掛けて人に会う機会が減ってしまった今日この頃。生活の変化は小中学生の裸眼視力にも影響をもたらしていることが分かった▼文科省の2020年度学校保健統計調査によれば、1・0未満の割合が小学生で37・52%、中学生で58・29%となり、前年度よりそれぞれ約3?、0・82?増えた▼子どもの無邪気な目の輝きから、世の大人たちは常に元気の源が注入される。コロナ禍は、子どもの視力も悪化させている。      (寺)
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