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2021.10.11掲載  コラム「而今」
 年間の最強漫才師を決めるトーナメント「ザ・マンザイ」という番組がある。そこには敗者復活戦で生き残り、再度の審査で優勝をさらった漫才師が幾人もいる▼政治の世界でも、それによく似たものが。衆院選にだけ許されている「比例復活」というものだ。小選挙区で落選した候補者が、同じブロックの比例代表で当選する▼前提として、政党に属して小選挙区と比例代表に重複立候補し、さらに小選挙区で有効投票の10%を獲得していることが必要。決めてとなるのが「惜敗率」なるもの。これが何とも曲者だ▼比例代表は政党が作成した候補者名簿の上から順番に当選する制度。重複立候補の場合、同一順位に複数の立候補者を搭載することができるが同一順位の場合、惜敗率の高い方から当選。小選挙区で敗北しても逆転勝利をするのである▼惜敗率(%)は落選者の得票数割る当選者の得票数に100を掛ける。復活当選するこの制度に否定的な声も多く聞かれる。敗者復活は芸能界で許されても、直接民意が届かなかった候補者に与えていいのか。(寺)
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