奈良県内の政治経済情報を深掘

2022.3.21掲載  コラム「而今」
 昨秋の衆院総選挙の年代別の投票率を見ると、最も高いのは60歳代の71・43%、最も低いのは20歳代の36・5%で、その差は倍ほどある。政治に無関心な若者が悪いのか、関心を持たれない政治が悪いのか―▼自民、公明の政府与党は、新型コロナウイルス対策として、年金受給の高齢者に臨時給付金を支給する検討に入った。バラマキの意図が見え隠れ。いや、もはや隠そうともしていない。なりふり構わず、投票率の高い高齢者福祉が過ぎる気もするが、投票に行ってくれる年齢層へアピールは必然の戦略か▼高齢者への支給額は、1人5000円程度、総額1300億円を見込む。〝たった〟5000円の小遣い。これがどう使われるのか分からないが、子育て世代やもっと苦しんでいる方々へと思う▼「老い木は曲がらぬ」との諺(ことわざ)がある。年を重ねると、なかなか考え方や思考は変わらない。頑固さも…▼高齢者に寄り添うための政治。この国は、もはや曲がらない木。そういった政策決定を形成している一つは、投票に行かない若者世代にあるのは間違いない。    (染)
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