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2022.4.11掲載  コラム「而今」
 「杉原千畝」という人物を知らない人はいないほど、日本人にとっては、これほど偉大で誇りに思える人はいない▼第二次世界大戦勃発前、リトアニアの日本領事館領事代理に赴任。ナチス・ドイツのポーランド侵攻により迫害されていた多くのユダヤ人に、日本通過ビザを発給したことで知られている▼命を救われたユダヤ難民は、シベリア鉄道で旧ソ連を横断して日本へ渡り、さらにアメリカ大陸や中国・上海へと避難した。現在、避難民の子孫を合わせれば25万人以上になるという▼その当時、日本の服務規律との葛藤の中、約6000人のユダヤ難民を救った、杉原発給のビザは今も「命のビザ」として受け継がれている▼80年後の今、ロシアのウクライナ侵攻で多くの一般市民が犠牲になる中、家をなくした避難民が涙ながらに隣国へ。また政府専用機で20人が日本に到着した▼時同じくして、天理市の並河健市長はいち早く、避難民3人を受け入れることを決めた。留学経験のある天理大の協力もあり、偉人と同じ外交官の経験を持つ市長へつながった。     (寺)
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