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2022.5.2掲載  コラム「而今」
 若葉が茂り、茶摘みが始まるきょう2日は夏も近づく八十八夜。末広がりの縁起の良い日で、古くから夏支度をすると良い日とされてきた▼これに先立ち、今夏の参院選に向けて立憲民主党が新たなキャッチフレーズ「生活安全保障」を発表した。ロシアによるウクライナ侵攻の情勢などを鑑みて決めたようだが、この評価はいかに▼前身の民主党政権下、わが国固有の領土、尖閣諸島に対する中国の領海侵犯に対して当時の日本はどのように対応したか―。この面々が「安全保障」とは腑に落ちない▼第二次世界大戦、そして冷戦を乗り越え、永遠に続くと思えた平和を享受してきたが、共産圏の侵攻を目の当たりにした今、これらの希望は崩れた▼国家の安全保障を家に例える方々がいる。強盗に入られても命が大事、明け渡せば良いと…。強盗のケースに限っては異論はない。家を明け渡しても国があるし、やり直すことができる。国そのものを盗られたならそうはいかない▼生活はもちろん大事だが、参院選は生活を保障している国について議論する機会にしたい。   (染)
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