奈良県内の政治経済情報を深掘

2024.2.26掲載  コラム「而今」
 学校は警察じゃない―。奈良市立小で、いじめを受けた女児が「わたしは死ねばいいのに」と書いたノートに担任が花丸を付けた問題で、保護者が調査を求めたところ、学校側は同級生が暴力を認めないことなどを理由に「学校は警察じゃない」と調査を拒否したという▼この考えは、確かに一理ある。生徒に聞き取りを行うにしても学校には警察のような捜査権はなく強制力はない、事実を証言してもらえる保証もないのだ▼また、例えば加害者の親へ聞き取りをしたとしても、わが子をかばう親もいるため、手詰まりになってしまうケースも出てくる▼しかし今回の学校側発言は、調査していく中で行き詰まり、苦し紛れに出た言葉ではなく、教育現場の「保身」「事なかれ主義」の言い訳にも聞こえる。学校側が、事を荒立てたくないと考えているのがにじみ出ている▼学校や教育委員会に働きかけるのも一つだが、いじめに関する対応の問題が出ている以上、外部の調査が必要だ。学校関係の調査は保身が付きまとい、積極的解決は構造的に無理があるのだから。  (佑)
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