奈良県内の政治経済情報を深掘

2024.3.11掲載  コラム「而今」
 蛇は長いイメージから「蛇足」や「やぶへへび」など、余計なことをして状況を悪化させる喩えに使用される。先日開催された県が五條市で計画していた大規模防災拠点整備の計画を太陽光パネル事業へ転じる説明会は、怒号が飛んだ▼大規模防災拠点整備を中止することを公約にして当選した山下真知事は自身のSNSで「総事業費約1000億円の無駄な公共事業を止めるのか止めないのかという全県民に関わる重要なテーマです」と記している▼にもかかわらず、説明会に参加した奈良市・山辺郡選出の県議が発言や意見をすると「奈良市選出の先生で、ここでは関係ないじゃないですか。そういう質問があるんだったら県議会で言ってください」▼同事業を「無駄」とする山下知事だが、県民の賛否は、日本維新の会が〝ごり押しする〟万博開催に対する世論の賛否のようにさまざま。選挙で勝った、法律ではこう、説明会は県が主催だから従え―。こんな調子では話にならない▼県は何のためにこの説明会を開催したのか。少なくとも対話や融和は山下知事にはない。(包)
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