奈良県内の政治経済情報を深掘

2025.5.21掲載  コラム「而今」
 セルフレジの使い方がわからない人のために、店舗スタッフがそのレジに常駐しているファストフード店を訪れた。高齢の人たちが次々と店員に質問、長蛇の列ができていた。なんとも本末転倒で滑稽な景色▼しかし高齢者だけがデジタルに不慣れなわけでもない。総務省が調査結果を公表した「ICTリテラシー実態調査」では、ネットで得た誤情報をそのまま拡散している人の割合が4人に1人いることがわかった▼特に若い人ほど誤情報を鵜呑みにして拡散する傾向。拡散する分野を分析すると「医療・健康」「経済」「災害」の順で多いとか。生命や財産に関わる重要な事項を、顔も拝見したことのない人の情報を右から左へ▼もはや思考力や人間力の敗北。デジタルに不慣れな高齢者に、デジタルを鵜呑みにする若者。われわれの社会は何に支配されようとしているのか―▼間もなく参院選をはじめ、県都奈良市長、市議選。こんな時代だからこそ政治に期待を。しかし本会議で居眠りしても、任期満了まで居座る奈良市議がいるとか。こりゃ人間が負ける。(染)
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